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2015年6月2日

モデル事務所 NMT inc. インタビュー特集 第9回 片桐ゆたか

片桐ゆたか インタビュー
所属モデルをより深く知って頂くことを目的としたインタビュー特集。
第九回目は、片桐ゆたかのインタビューをお届け致します。

 

「変化するファッションと私」 片桐ゆたか

誰しも、時として自分に自信を無くす事があるだろう。
しかし、何かをきっかけにして自信を取り戻す。
むしろ、それまで以上に強い自信を獲得することさえ起こりうる。

ファッションモデル、片桐ゆたか。
片桐は物心がついた頃からファッションが好きだった。
「周りの誰よりもオシャレになりたくて」
小学生の頃から、幾つものファッション誌を愛読していた。
片桐にとって、ファッションは何よりの表現方法だった。

ファッションについてもっと知りたいという想いから、服飾関連の大学へ進学した。
また、学業と並行して、広島のモデル事務所に所属する事となった。
大学2年の夏、二十歳の時だ。
「あの頃は、自分に自信がなかなか持てなくて」
モデルを始めた当初、片桐は何度も「自信の無さ」を痛感したという。
トレーニングを重ねるものの、体のコンディション調整に苦労する毎日。
「こんな私が、モデルなんてできるのかなって何度も思いました」

しかし、片桐の周囲には、親身に相談に乗ってくれる先輩モデルや同期がいた。
同期の一人が、一年後には東京へ行くと宣言していた事にも触発された。
「私だけがモデルを諦めるなんて考えられなかったから」
ファッションに強い想い入れがある片桐だからこそ、服を纏(まと)う「モデル」の仕事にこだわった。

ある時、片桐にブレイクスルーの機会が訪れた。
ミス・ユニバースのオーディション。
片桐は広島代表として選出されたのだ。
「ファッションに対する考え方も、あの時から変わりました」
これまでの片桐とは、まるで違うメイクやファッションをする事で、心のあり方までもが変わったという。
「なにより、広島代表という責任を凄く感じたから」
片桐は、強く感じた責任を、大きな自信へと昇華させたのだ。

「自信」を纏う事となった片桐。
「私はモデルとして何を発信していけるのかなって」
かつてとは、まるで違う意識がそこにはあった。

今では、東京の第一線で活躍を続ける片桐。
ファッションのジャンルこそ様々だが、片桐が常に想う事はただ一つ。
「ファッションを楽しむって、凄く素敵な事だと思う」
片桐がインタビューでそう言った時、私は忘れていた大切な事を思い出した。
好きな服を着て、街を歩けるという自由、そして楽しさ。
それが、どんなに素晴らしい事であるか。
「着る服一つで、人はいくらでも変われるから」
数々の変化を自分のものにしてきた片桐だからこそ、確信を持って言える言葉だろう。

インタビューの翌日、片桐が活躍する姿がSNSのタイムラインに映し出された。
季節を思わせる片桐の服装とその表情に、思わず目が止まった。
いつの間にか、私は片桐の世界観に共感したのだろうか。
その後、私はアパレルのショップに行き、普段ならば選ばない色のジャケットを体に当ててみた。
片桐が話してくれた事は、確かだった。

☆片桐ゆたか プロフィール☆

(執筆)加藤陽太郎 クリエイティブディレクター。1984年生まれ。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了後、日本郵便株式会社本社勤務を経て独立。
メディア関連企業の戦略策定や企画のプロデュースをはじめ、執筆や写真撮影によるコンテンツ制作を手がけている。