news

2017年9月7日

NMT inc. インタビュー特集 第29回 成田沙季

G0806_2968

所属モデルをより深く知って頂く事を目的としたインタビュー特集。
第二十九回目は、成田沙季(なりたさき)のインタビューをお届け致します。

「季節が移りゆくかのように」 成田沙季

春夏秋冬。
日本程、豊かな四季に恵まれた国はないだろう。
ふと気づくと、季節は移ろいでゆく。


ファッションモデル、成田沙季。
インタビュー早々、こんな事を言った。
「沙季の『季』は、季節の季だなって最近つくづく思うんです」
まるで四季折々の様な変化が、ここ数年であったという。

長野の自然に恵まれた所で育った成田。
高校時代、勉強に打ち込んだ事が功を奏し、都内の大学の推薦合格を勝ち取った。
初めての東京での生活。
それは成田にとっての春だった。
これまで、多くのファッション誌を読んできた。
東京は、成田がかつて雑誌で見た世界そのものだった。

そして、大学三年生の時、街でスカウトされた。
私もファッション誌で活躍できるかもしれない。
期待は膨らんだ。
躊躇する事なく、成田はモデル活動を始め、間も無く大学卒業を迎えた。
同級生達は、一般企業へと就職していった。
モデルを追求していく成田には、就職という選択肢はなかった。
「でも内心、友達の事が気になっていました」
就職し、どんどん成長していく友人達は、成田にとって輝いて見えた。
私だって、自分で決めた道だ、負けてはいられない。
そう思う度、心に火がついた。

しかし、プロとして活躍するには、一筋縄ではいかなかった。
夢であったモデルという職業が、いつの日か現実になったのだ。
現実は、何て厳しいものなのだろう。
成田はそのギャップに、しばらく落ち込んだ。

一所懸命、成田は現場で何かを得ようとした。
「でも、それだけでは限界を感じたんです」
焦りがこみ上げてきた。
気づくと、街の木々は赤く色づき始めていた。
秋空がいつもより少し寂しく思えた。

季節が徐々に冬支度を始める頃。
成田は、環境を変えるべく、NMT inc.への移籍を決めた。
意を決して移籍したものの、予想以上の厳しいレッスンに圧倒された。
繰り返しレッスンを行う日々。
成田にとって、それはまさしく冬だった。
しかし、必ず春はやってくる。
その事をスタッフ達は分かっていたからこそ、成田に厳しい試練を課したのだ。

レッスンを続けるに連れ、成田はある事に気がついた。
それは「自分の枠」についてだ。
成田はこう言った。
「これまでは、自分の枠を超えた何か、を目指していたんです。
そうではなくて、自分の枠を広げれば良いって事に気がつきました。
それからは、色々な事がクリアになったんです」
枠を広げるべく、内面を膨らませていく日々。
例えば、音楽を聴く時ですら、これまでとは変わった。
歌詞の一つひとつを感じ取り、リズミカルに口ずさんでみる。
今まで自分が知っていたはず、わかっていたはずの事が、全く別の物として受け止められるようになった。
それは、成田にとって感受性が開花した瞬間だった。

「今まで、遠くのものを目指すあまり、目の前の大切な事を見落としていたんです」
そんな成田が必要に感じている事は「引き算」だと言う。
美は、引き算をした先に残るもの。
成田はそんな風に感じている。

成田のこれまでの歩みは、四季の変化に似ている。
厳しいレッスンに取り組んだ成田を待っていたのは、いつもとは違った春だった。
大手企業の広告が立て続けに決まったのだ。
モデルとしてのキャリアを確実に重ねていく成田。
果たして今秋は、成田にとってどんな季節に映るのだろう。
私は想像を膨らませる。
成田が経験した事のない、実り大き秋になる事を。

☆成田沙季 プロフィール☆

(執筆)加藤陽太郎 クリエイティブディレクター。1984年生まれ。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了後、日本郵便株式会社本社勤務を経て独立。
メディア関連企業の戦略策定や企画のプロデュースをはじめ、執筆や写真撮影によるコンテンツ制作を手がけている。