東京モデル事務所|ニュートラルマネジメント

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#04 モデルの現場で求められる事

モデル事務所という仕事

前回の記事では、モデルの仕事がどのような流れで決まっていくのかを書きました。

では、仕事が決まり、現場に入ったとき、モデルには何が求められるのでしょうか。

モデルの仕事というと、ポージングや表情、スタイルの良さを思い浮かべる人も多いと思います。もちろん、それらも大切です。

ただ、モデルとして現場に立ち、その後モデル事務所を経営してきて感じるのは、現場で求められていることはそれだけではないということです。

今回は、モデルの現場で求められることについて書いてみたいと思います。

01

まず、仕事の目的を理解する

広告には、商品があります。雑誌には、テーマがあります。カタログやECであれば、洋服の形や素材、サイズ感を分かりやすく伝える役割があります。

モデル自身が魅力的に見えることは大切です。でも、モデルだけが目立てばいいわけではありません。

その衣装をどう見せたいのか
その商品を誰に届けたいのか
ブランドが、どんな世界観を創ろうとしているのか

まず、それを理解することです。

モデルの仕事は、自分を表現する仕事であると同時に、商品や企画の意図を伝える仕事でもあります。僕は、この感覚がとても大切だと思っています。

02

求められることに合わせて、変化できるか

ある現場では、大きく動くことを求められる。別の現場では、できるだけ自然に動いてほしいと言われる。笑顔が必要な仕事もあれば、表情をあまり変えない仕事もあります。昨日うまくいったことが、今日の現場でも正解とは限りません。

撮影中も、細かな指示が何度も出ます。

「目線を変えて」
「身体の向きを変えて」
「デザインを見せて」

その言葉から何を求められているのかを考え、次のカットで変えてみる。一度で正解を出せないことは普通にあります。大切なのは、指示を受けたあとに変化できるかどうかです。

自分らしさを持つことと、自分のやり方だけにこだわることは違います。相手の意図を受け取り、それを自分の身体で表現できること。それも、モデルの技術の一つだと僕は思っています。

03

良い一回より、安定して応えられること

撮影には、一瞬を切り取る仕事もあれば、何十着、何百カットと撮る仕事もあります。特にECやカタログでは、長い時間、同じクオリティで仕事を続けることが求められます。最初の一着だけ良ければいいわけではありません。

疲れてきても、商品の見え方を考える
前のカットとの違いをつくる
必要なら、同じ動きをもう一度する

僕が思うプロの強さは、良い仕事を一度することではなく、求められた仕事をコンスタントにできることです。

長く現場に立つ程、この力は大切になっていきます。

04

現場の基本も、信頼につながる

撮影の現場には、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、クライアントなど、多くの人が関わっています。限られた時間の中で、全員で一つのものをつくっています。

だからこそ、写真に写らない部分も大切です。

集合時間を守る
持ち物や事前の指示を確認しておく
体調やコンディションを整えて現場に入る
スタッフと気持ちよくコミュニケーションをとる

どれも特別なことではありません。でも、こうした当たり前のことを毎回続けることも、現場での信頼につながっていきます。

モデルの仕事は、写真や映像に写る瞬間だけで成り立っているわけではありません。

05

現場でしか分からないことがある

レッスンをする。作品撮りをする。マネージャーに相談する。どれも必要です。

でも、実際の現場に入ると、それまで気づかなかったことが見えてきます。

思ったより動けなかった
指示を理解するまでに時間がかかった
逆に、自分でも気づかなかった部分を評価された

そういうことは普通にあります。

事務所にできるのは、仕事への入口をつくる事と、その経験を一緒に振り返る事です。現場で得られる経験そのものは、モデル本人にしか積み重ねられません。

うまくできた日も、できなかった日も、その経験を次に持ち帰る。それを繰り返すことが、結局いちばん大きな成長につながるのだと思います。

一つひとつの現場で感じたことを自分のものにして、次の仕事へ持っていく。

その積み重ねが、モデルとして長く仕事を続けていく力になる。僕はそう信じています。

次回の 「モデルの仕事は、ひとつではない」 では、さまざまなモデルの仕事と、その先にあるキャリアの広がりについて書いています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.9.22