東京モデル事務所|ニュートラルマネジメント

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#05 モデルの仕事は、ひとつではない

モデル事務所という仕事

前回の記事では、モデルの現場で求められることについて書きました。

では、モデルにはどのような仕事があるのでしょうか。

広告
雑誌
ショー
EC・カタログ
ブライダル
ムービー

同じ「モデル」という仕事でも、求められる役割はそれぞれ違います。

この十数年で、仕事の形も大きく変わりました。ECの撮影が増え、スチールだけでなく動画を求められる案件も当たり前になりました。SNSを通じて、モデル自身の発信や人柄が見られる機会も増えています。

仕事の種類が増えたという事は、モデルが必要とされる場所も増えたという事です。今回は、モデルの仕事と、その先にあるキャリアの広がりについて書いてみたいと思います。

01

モデルの仕事に、ひとつの形はない

モデルの仕事には、さまざまな形があります。

どれも同じ「モデルの仕事」ですが、求められるものは違います。

ブランドのイメージを表現する仕事もある
商品を分かりやすく見せる仕事もある
一枚の写真で表現することもある
動きや言葉が必要なこともある

大切なのは、それぞれの仕事に違う役割があり、違う技術が必要だということです。

どの仕事にも、それぞれのプロの仕事があります。

02

仕事の種類に、順番があるわけではない

モデルを始めたばかりの頃は、雑誌に出たい、広告をやりたい、ランウェイを歩きたい。そんな目標を持つ人も多いと思います。目標があることは、とても大切です。

でも、モデルの仕事は、一つずつ階段を上がっていくようなものではありません。

ECを経験したら、次はファッション誌
誌面に出たら、次は企業のイメージキャラクター

そういう順番が決まっているわけではありません。

広告を中心に活動する人もいれば、ECやカタログを何年も続ける人もいる。ファッションの仕事で個性を発揮する人もいれば、ムービーや演技の仕事で魅力が見つかる人もいます。

それぞれに必要とされる理由があります。仕事の種類だけで、モデルの価値が決まるわけではありません。

03

違う仕事で、違う顔が見える

プロフィールを見るだけでは、その人に合う仕事がすべて分かるわけではありません。実際に仕事をしてみて、初めて見えることがあります。

ファッションの印象が強かった人が、広告ではとても自然な表情を見せる。スチール中心だった人が、ムービーになると急に存在感を増す。本人があまり意識していなかった分野で、クライアントから高く評価されることもあります。

「自分はCM向きです」
「ファッションを中心にやりたいです」

所属モデルと話していると、そういう言葉が出てくることがあります。その気持ちは大切にしたいと思っています。

ただ、まだ経験していない仕事について、向いているかどうかを最初から決めるのは難しい。

実際にやってみたことで、それまで見えていなかった強みが見つかり、その後の仕事の幅が広がることも少なくありません。

モデルの可能性は、最初からプロフィールに全部書かれているわけではありません。仕事を経験する中で、少しずつ増えていくものだと思います。

04

一つのジャンルだけで、キャリアを考えない

モデルの仕事には波があります。忙しい時期もあれば、思うように仕事が決まらない時期もあります。

あるジャンルの仕事が減っても、別の分野では必要とされていることがあります。

ブランドの方針が変わる。雑誌のテイストが変わる。年齢や生活の変化で、合う仕事が変わる。モデル本人の力とは関係なく、状況が変わることは珍しくありません。

広告の仕事がある
ECのレギュラーがある
カタログが続いている
ムービーの仕事が入る

それぞれは違う仕事ですが、全部がその人のキャリアです。

大きな仕事を一度することだけが、成功ではありません。いくつかの場所で、継続して必要とされること。それも、プロとして長く仕事を続ける一つの形だと思っています。

05

やりたい仕事と、求められる仕事

モデルには、それぞれやりたい仕事があります。本人が目標にしている仕事には、事務所としてもできるだけ近づけるようにしたいと思っています。

ただ、やりたい仕事と、実際に求められる仕事が、いつも同じとは限りません。

自分では想像していなかった仕事から声がかかる。その仕事が続く。そこから、また別の仕事につながる。長くこの仕事を見ていると、そういうキャリアを何度も見てきました。

だから僕は、「やりたい仕事」だけではなく、「求められている仕事」にも目を向けてほしいと思っています。

それは、やりたいことを諦めるという意味ではありません。求められる仕事で信用を積み重ねることが、やりたい仕事への近道になることもあります。

そして何より、自分ではまだ気づいていない可能性を閉じないということです。

モデルの仕事は、ひとつではありません。仕事の種類も、キャリアの形も、人によって違います。

いろいろな仕事を経験しながら、自分にできることを増やしていく。そして、自分がやりたいことと、自分を必要としてくれる場所の両方を大切にする。

その重なりの中に、その人らしいモデルとしてのキャリアができていくのだと、僕は思っています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.10.3

#04 モデルの現場で求められる事

モデル事務所という仕事

前回の記事では、モデルの仕事がどのような流れで決まっていくのかを書きました。

では、仕事が決まり、現場に入ったとき、モデルには何が求められるのでしょうか。

モデルの仕事というと、ポージングや表情、スタイルの良さを思い浮かべる人も多いと思います。もちろん、それらも大切です。

ただ、モデルとして現場に立ち、その後モデル事務所を経営してきて感じるのは、現場で求められていることはそれだけではないということです。

今回は、モデルの現場で求められることについて書いてみたいと思います。

01

まず、仕事の目的を理解する

広告には、商品があります。雑誌には、テーマがあります。カタログやECであれば、洋服の形や素材、サイズ感を分かりやすく伝える役割があります。

モデル自身が魅力的に見えることは大切です。でも、モデルだけが目立てばいいわけではありません。

その衣装をどう見せたいのか
その商品を誰に届けたいのか
ブランドが、どんな世界観を創ろうとしているのか

まず、それを理解することです。

モデルの仕事は、自分を表現する仕事であると同時に、商品や企画の意図を伝える仕事でもあります。僕は、この感覚がとても大切だと思っています。

02

求められることに合わせて、変化できるか

ある現場では、大きく動くことを求められる。別の現場では、できるだけ自然に動いてほしいと言われる。笑顔が必要な仕事もあれば、表情をあまり変えない仕事もあります。昨日うまくいったことが、今日の現場でも正解とは限りません。

撮影中も、細かな指示が何度も出ます。

「目線を変えて」
「身体の向きを変えて」
「デザインを見せて」

その言葉から何を求められているのかを考え、次のカットで変えてみる。一度で正解を出せないことは普通にあります。大切なのは、指示を受けたあとに変化できるかどうかです。

自分らしさを持つことと、自分のやり方だけにこだわることは違います。相手の意図を受け取り、それを自分の身体で表現できること。それも、モデルの技術の一つだと僕は思っています。

03

良い一回より、安定して応えられること

撮影には、一瞬を切り取る仕事もあれば、何十着、何百カットと撮る仕事もあります。特にECやカタログでは、長い時間、同じクオリティで仕事を続けることが求められます。最初の一着だけ良ければいいわけではありません。

疲れてきても、商品の見え方を考える
前のカットとの違いをつくる
必要なら、同じ動きをもう一度する

僕が思うプロの強さは、良い仕事を一度することではなく、求められた仕事をコンスタントにできることです。

長く現場に立つ程、この力は大切になっていきます。

04

現場の基本も、信頼につながる

撮影の現場には、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、クライアントなど、多くの人が関わっています。限られた時間の中で、全員で一つのものをつくっています。

だからこそ、写真に写らない部分も大切です。

集合時間を守る
持ち物や事前の指示を確認しておく
体調やコンディションを整えて現場に入る
スタッフと気持ちよくコミュニケーションをとる

どれも特別なことではありません。でも、こうした当たり前のことを毎回続けることも、現場での信頼につながっていきます。

モデルの仕事は、写真や映像に写る瞬間だけで成り立っているわけではありません。

05

現場でしか分からないことがある

レッスンをする。作品撮りをする。マネージャーに相談する。どれも必要です。

でも、実際の現場に入ると、それまで気づかなかったことが見えてきます。

思ったより動けなかった
指示を理解するまでに時間がかかった
逆に、自分でも気づかなかった部分を評価された

そういうことは普通にあります。

事務所にできるのは、仕事への入口をつくる事と、その経験を一緒に振り返る事です。現場で得られる経験そのものは、モデル本人にしか積み重ねられません。

うまくできた日も、できなかった日も、その経験を次に持ち帰る。それを繰り返すことが、結局いちばん大きな成長につながるのだと思います。

一つひとつの現場で感じたことを自分のものにして、次の仕事へ持っていく。

その積み重ねが、モデルとして長く仕事を続けていく力になる。僕はそう信じています。

次回の 「モデルの仕事は、ひとつではない」 では、さまざまなモデルの仕事と、その先にあるキャリアの広がりについて書いています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.9.22

#03 モデルの仕事が決まるまで

モデル事務所という仕事

モデルの仕事は、どのように決まるのか。

オーディションを受けて決まる仕事もあれば、プロフィールや過去の実績を元に、オーディションなしで決まる仕事もあります。

前回の記事では、モデル事務所を選ぶときに見ておきたいことを書きました。

今回は、事務所に所属するモデルの仕事が、実際にどのような流れで決まっていくのかを書いてみたいと思います。

01

仕事が決まるまでの流れ

案件によって細かな違いはありますが、モデルの仕事は、おおよそ次のような流れで決まっていきます。

1. 依頼が届く:クライアントや制作会社、キャスティング会社などから、案件の相談が届きます
2. 事務所が候補を考える:案件の内容や条件を確認し、合いそうなモデルを考えます
3. クライアントへ提案する:コンポジットやプロフィールを送り、モデルを提案します
4. 書類選考:提案されたモデルの中から、候補が絞られます。ここで決まる仕事もあります
5. オーディション・キャスティング:必要に応じて、実際に会って雰囲気や表現を確認します
6. 決定:最終的にモデルが決まります

最終的な判断には、クライアントだけでなく、広告代理店、制作会社、カメラマン、スタイリストヘアメイクなど、複数の人が関わることもあります。

02

求められる条件は、案件ごとに違う

モデル事務所には、日々さまざまな依頼が届きます。

「20代のモデル」
「スポーツ経験のあるモデル」
「特技のあるモデル」
「演技ができるモデル」

年齢やサイズだけでなく、イメージや経験、表現力など、求められる条件は案件によって違います。同じブランドでも、企画やシーズンが変われば、必要とされるモデルが変わることもあります。

候補になるかどうかは、一つの条件で決まるわけではありません。幾つもの条件の組み合わせで決まります。

03

選考で見られるポイント

モデルの選考では、コンポジットやプロフィールが大切な判断材料になります。そのうえで、案件によって次のような点が見られます。

過去の仕事や、現場での経験
ムービーへの適性
商品の見せ方
ブランドとの相性

さらに、撮影日程や競合の条件、ギャランティなど、実務的な要素も関わります。

過去にそのモデルと仕事をしたスタッフからの評価も、その後の選考で見られる材料の一つです。

04

決まらなかったことにも、いろいろな理由がある

事務所が提案しても、仕事が決まるとは限りません。最後まで候補に残っていても、決まらないことがあります。反対に、最初から強く名前が挙がり、そのまま決まることもあります。

オーディションに呼ばれなかった。最後まで残ったけれど、決まらなかった。モデルの仕事を続けていれば、そういうことは何度もあります。

ただ、それがそのまま「評価が低かった」という意味になるとは限りません。

今回は別の雰囲気が必要だった
商品のサイズとの相性が合わなかった
共演者とのバランスで変わった

モデル本人の力とは別のところで、結果が変わることも少なくありません。

もちろん、改善できることがあれば次に活かす必要があります。ただ、一つの結果を必要以上に大きく考えないことも、この仕事を続けていく上では大切です。

一つの仕事が決まるまでには、いくつもの条件と、多くの人の判断があります。

決まった、決まらなかったという一つの結果だけで、モデルの価値が決まるわけではありません。

05

仕事が決まったら、次は現場へ

そして仕事が決まれば、次は現場です。

選ばれたあと、現場でモデルに何が求められるのかは、書類選考やオーディションとはまた違います。

それについては、次のコラム 「モデルの現場で求められること」 で書いています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.9.14

#02 モデル事務所の選び方

モデル事務所という仕事

東京でモデルとして活動するために、どの事務所を選ぶか。これからモデルを目指す人にとっても、すでに活動している人にとっても、将来を左右する大切な選択です。

所属モデルの人数や知名度、ホームページの印象だけでは、その事務所が自分に合っているかまでは分かりません。

前回の記事では、モデル事務所がどのような仕事をしているのかを書きました。

今回は、モデル事務所を選ぶときに見ておきたいポイントを、事務所を運営する立場から整理してみたいと思います。

01

どんな仕事に強い事務所か

モデルの仕事には、広告、雑誌、ショー、EC、カタログ、ブライダル、ムービーなど、さまざまな分野があります。事務所によって、得意とする分野や取引先、モデルの見せ方は違います。

大切なのは、規模の大きさだけで判断しないことです。その事務所がどのような案件を扱い、所属モデルが実際にどんな仕事をしているのかを見てください。

事務所のホームページやSNS、所属モデルの実績を見ると、得意な分野はある程度分かります。

自分が目指す方向と、事務所の得意分野が合っているか。所属後の可能性を考えるうえで、最初に確認しておきたいポイントです。

02

所属後のサポートと、長く活動できる環境があるか

事務所を選ぶとき、所属できるかどうかだけを見ても十分ではありません。

大切なのは、その先です。

モデルの状況は、ずっと同じではありません。新人として経験を積む時期。仕事が増えてきた時期。結婚や出産、育児、体調の変化などで、以前と同じ働き方が難しくなる時期もあります。

そのとき、目の前の仕事量だけで判断するのか。それとも本人と相談しながら、これからの活動の形を一緒に考えるのか。

そこに、事務所の姿勢が表れます。

新人をどう育てているかだけでなく、経験を重ねたモデルにどんな提案を続けているか。何年も同じ事務所で活動しているモデルがいるかどうかは、それを見る一つの材料になると思います。

03

マネージャーと話ができるか

モデルと事務所の関係は、仕事の紹介だけで成り立つものではありません。

仕事の方向性
体型や髪型
生活との両立
将来への不安

活動を続けていると、さまざまな悩みや迷いが生まれます。すべての希望が、そのまま仕事につながるわけではありません。ときには、本人の希望とは違う意見を事務所から伝えることもあります。

だからこそ、話ができる関係であることが大切です。

良いことだけを伝えるのではなく、現状や課題についても率直に話し合えるか。モデルの話を聞いたうえで、必要なことをきちんと説明してくれるか。所属前の面談では、条件だけでなく、マネージャーとの会話から感じる相性も見てください。

04

契約前に確認しておきたいこと

所属を決める前には、契約の条件をきちんと確認しておくことが大切です。たとえば、次のような点です。

契約期間
マネジメント料
登録料やレッスン費、宣材写真の費用など、モデル側の負担があるか
仕事の進め方や、活動上のルール

分からないことを曖昧なままにせず、納得できるまで質問してください。

契約内容や費用について質問したときに、具体的に説明してもらえるかどうかも、所属前に見ておきたいポイントです。

05

契約書だけでは分からないこと

一方で、契約書を読むだけでは分からないこともあります。

所属モデルを、どのように見ているのか
仕事量に波があるとき、状況や今後について一緒に話せるか
モデルの可能性を、目の前の結果だけで判断していないか

こうしたことは、面談での会話や、所属モデルの活動の様子から感じ取るしかありません。

モデル事務所は、仕事を紹介する場所であると同時に、一人ひとりのキャリアを一緒に考える場所でもあります。

知名度だけではなく、どこなら自分らしく、長くプロとして活動していけるか。

モデル事務所を選ぶときには、ぜひその視点も持ってほしいと思います。

次回の 「モデルの仕事が決まるまで」 では、事務所に所属したモデルの仕事が、実際にどのような流れで決まっていくのかを書いています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.9.7

#01 モデル事務所とは?

モデル事務所という仕事

モデル事務所は、何をする会社なのか。

モデルに仕事を紹介する
オーディションを提案する
スケジュールを管理する

もちろん、どれも大切な仕事です。ただ、13年間事務所を経営してきて思うのは、実際の仕事はもう少し広いということです。

モデルを探しているクライアントと、仕事をしたいモデルの間に立つ。そして、目の前の一つの仕事だけではなく、その先のキャリアまで考える。

このコラムでは、モデル事務所の仕事を、運営する立場から書いていきます。今回は、モデル事務所の仕事内容と役割についてです。

01

モデル事務所の主な仕事

モデル事務所の仕事は、大きく分けると次のようなものです。

提案:クライアントの依頼内容を確認し、合うモデルを提案する
プロモーション:広告代理店、出版社、制作会社、キャスティング会社、アパレルブランドなどに、所属モデルを紹介する
条件の確認と交渉:撮影内容や使用媒体や地域、期間、競合、ギャランティなどを確認し、調整する
スケジュール管理:オーディションや撮影の日程を調整し、モデルに必要な情報を伝える
現場のサポート:必要に応じて、撮影やオーディションに同行する
育成とキャリアの相談:所属モデル一人ひとりの課題や方向性を一緒に考える

こうして並べると事務的に見えるかもしれません。でも、どれも「モデルが良い仕事をして、それが次につながる」ための仕事です。

02

仕事は、モデルを提案するところから始まる

クライアントから撮影の相談をいただくと、まず案件の内容を確認します。

雑誌なのか、広告なのか、ECなのか。どんな年代や雰囲気のモデルを探しているのか。広告であれば、どの媒体で、どのくらいの期間使われるのか。競合する商品やブランドはあるのか。

そこから、所属モデルの中で誰が合うのかを考えます。仕事が多いモデルや、知名度のあるモデルから順番に提案するわけではありません。

写真ではクールに見えるけれど、笑うと印象が大きく変わる人もいる。スチールより、ムービーで魅力が出る人もいる。長時間、多くの商品を撮影しても、最後まで安定した仕事ができる人もいます。

こうした特徴は、プロフィールだけでは分かりません。日頃からモデルと話し、仕事ぶりを見ているからこそ分かることです。

「この仕事なら、この人が合うのではないか」。その判断をもとに、モデルをクライアントへ提案することが、モデル事務所の大切な役割の一つだと僕は思っています。

03

決まってからの仕事は、意外と地道

仕事が決まったら、それで終わりではありません。

撮影内容、集合時間、場所、衣装や持ち物を確認する。広告であれば、使用媒体や使用地域、期間、競合などの条件も整理します。表からはあまり見えませんが、ここが曖昧だと、モデルにもクライアントにも迷惑をかけることになります。

モデル業界は、華やかな印象を持たれることがあります。でも、事務所の日常はむしろ地道です。

連絡する
確認する
調整する
提案する

長く経営していると、こうした普通のことをどれだけ丁寧に続けられるかが、そのまま信用になるのだと感じます。派手な近道は、ありません。

04

「またお願いします」が続くこと

撮影のあと、クライアントから「またお願いします」と言っていただくことがあります。経営していて、素直に嬉しい言葉です。

「またお願いします」

最初の仕事は、資料やオーディションを見て選んでいただいたものかもしれません。でも二回目は、一度一緒に仕事をしたあとの判断です。

何年も同じブランドやクライアントから呼ばれ続けているモデルがいます。それは偶然ではありません。現場で積み重ねてきた信用があるからです。

その信用は、モデル本人のものです。事務所がいくら営業しても、現場で良い仕事ができなければ、その先にはつながりません。

マネージャーが仕事の入口をつくる。モデルが現場で結果を残す。その評価を、また次の仕事へつなげていく。モデル事務所の仕事は、その繰り返しです。

05

所属は、ゴールではなくスタート

モデル事務所に所属したからといって、すぐに仕事が決まるとは限りません。所属したあとに必要なことは、人によって違います。

身体づくりが必要な人もいれば、作品撮りやレッスンを重ねた方がいい人もいます。今ある仕事を大切にした方がいい時期もあれば、新しい分野へ提案していく方がいい時期もあります。早く結果が出る人もいれば、すこし時間がかかる人もいます。

その人にいま何が必要なのかを一緒に考え、提案を続けること。それも、モデル事務所の仕事です。

だからこそ、所属すること自体をゴールにしないでほしいと思っています。

モデル事務所は、モデルとクライアントの間に立ち、一つの仕事を次の仕事へつなげていく会社です。そして、所属モデル一人ひとりのキャリアを、長い目で一緒に考える場所でもあります。

モデル事務所を探すときは、所属モデルや仕事の実績を見ると思います。それはもちろん大切です。ただ、それだけでは、その事務所が自分に合っているかまでは分かりません。

どんな考え方でモデルと向き合っているのか。その事務所に所属したあと、自分がそこで活動している姿を想像できるか。

この点については、次のコラム 「モデル事務所の選び方」 で詳しく書いています。

WRITER

岡本 浩太郎 KOTARO OKAMOTO

大学在学中よりモデルとして活動し、『MEN'S CLUB』レギュラーモデルを務める。 2000年に単身で香港・シンガポールへ渡り、アジア圏でもモデルとして経験を重ねる。 帰国後は俳優に転身し、映画・ドラマ・舞台などに出演。 2013年、株式会社ニュートラルマネジメントを設立。現在、代表取締役。

2026.8.24